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グッズ企画|こだわりや “らしさ” が詰まったモノづくり 

グッズ企画|こだわりや “らしさ” が詰まったモノづくり 

—はじめに、P2C Studioの事業概要を教えてください

P2C Studio株式会社は、2021年6月に設立されたUUUMの100%子会社です。動画クリエイターやインフルエンサーのブランドやモノづくり事業を行っています。社名の「P2C」が、「Person to Consumer」の頭文字を表しているように、クリエイターグッズをはじめ「ヒトを起点としたブランドづくり・モノづくり」を企画、デザイン、販売、販促設計に至るまで、一貫して担っています。

—アイテム数や販売チャネルはどのくらいの規模になるのでしょうか

UUUM専属のクリエイター数が多いことに加えて、最近は外部クリエイターとの取り組みも増えています。一案件に対して複数の商品を作るケースもあるため、アイテム数でいうと膨大な量になりますね。販路に関しても、クリエイターの活動範囲の広がりに伴い、多岐に渡っています。自社運営のECサイト、オフラインイベントの現地物販、ポップアップストア、小売店と、モノを売るすべてのところで関与しています。

—コラボレーションも行っていますか

大きく分けると2タイプのコラボレーションがあります。1つはクリエイター単位のコラボレーション。UUUM専属と社外のクリエイターがコラボして企画を展開していきます。もう1つは、ブランドやメーカーとのコラボレーションです。ファッションブランドや化粧品メーカー、食品会社などとクリエイターがコラボして、商品を企画、販売するケースもあります。

—グッズ企画の主な業務について教えてください

僕の事業部で担当している自社グッズを一例に挙げると、まず企画の持ち上がり方は、クリエイターからの希望or我々からの提案、の2パターンになります。グッズ制作が決まると、アイテム提案、デザインへの落とし込み、仕様の確認を社内外のチームとやり取りしながら進めていきます。ある程度商品の完成形が見えた段階で販売準備に取り掛かります。クリエイターが販売当日や前後で販促&告知動画を出してくれるので、連携して販売を行います。販促までしっかりフォローしてお客様にお届けするところが、P2C Studioの強みでもあります。

—ケースバイケースだと思いますが、企画から販売までどのくらいの期間で行っていますか

案件にもよりますが、長いものだと1年以上。例えば、ブランドとのコラボレーションは他社さんと一緒に取り組むので、期間が長めに設定されます。自社グッズに関しては、大体3、4ヶ月ですが、最短で2週間というケースもありました。通常進行と比べるとかなりタイトですが、本質をずらさずに期間内でできるデザインやアイテムを探ります。クリエイターの希望を叶える方法の用意があり、それらを提案できるメンバーがいることもP2C Studioの特長です。

—モノづくり未経験でP2C Studioに入社する場合、どんなスキルがあると役立ちますか

モノづくりを1から10まで行う過程では広い視野が不可欠です。まずはひとつを深めるよりも幅広く吸収し、応用できる力が必要。企画が立ち上がってからお客様に届くまでのすべての工程に携わる中では、ある程度の専門知識が求められるので、モノづくりの経験があると業務が分かりやすいと思いますが、今は新卒から未経験で多くを学んで活躍するメンバーも増えています。仕事の流れや身に付けるべき知識は、日々の経験の中で養われていくので問題ないと思っています。

—これまでのお仕事で特に印象に残っているものはありますか

2023年の東海オンエア結成10周年を記念したPOPUP SHOP『東海オンエ屋』があります。彼らが活動拠点にしている愛知県岡崎市に、視聴者の方が訪れることのできる観光スポットを増やしたい、という想いから始まったプロジェクトだったのですが、立ち上がった当初はポップアップを開催する場所探しにやや難航しました。それでも開催が叶ったのは、彼らが岡崎観光伝道師として地域に根差して長く活動を続けてきたことで、色々な方々の協力を得られたから。結果的に立地に恵まれた場所で開催でき、多くのお客様にも来店いただいて、まさにクリエイターの活動の賜物だな、と感じました。昨年は夏季限定でしたが、今年は半年間に期間を伸ばして、名所である岡崎公園でポップアップを開催しています。僕たちはクリエイターの意向に沿ったグッズで、その想いに応えて、プロジェクトを成功させることを大事にしています。昨年のポップアップ最終日には、地元の方に「ありがとう、また開催してね」と言っていただき、グッズ制作を通して地域に貢献できたことも実感でき、印象に残っています。

▼東海オンエア結成10周年を記念したPOPUP SHOP『東海オンエ屋』

▼2024年4月26日にOPENした『TOKAI ONAIR OFFICIAL STORE 岡崎公園店』

もうひとつは、今年のGWに開催された、ゲーム実況グループ・カラフルピーチ初のリアルイベント。それまでオフラインイベントを全くしてこなかったグループが、初めてファンの前に現れた記念すべきイベントでした。当日は僕も現場を訪れましたが、実際にグッズを手にしたファンの方の反応や喜んでいる姿を見ることができてうれしかったです。ファングッズが会場の一体感を高めるための一助になっていると感じ取れたことも貴重な経験でした。

▼カラフルピーチ初のリアルイベント『からぴちパラダイス2024~やっとみんなに会えるよ!~in 幕張メッセ』

—クリエイターやインフルエンサーとのモノづくりだからこその面白さはどんなところにありますか

やはり、本気で向き合ってくれる度合いが強いと思います。僕たちは協同で企画やアイテム、デザインを練り上げているので、クリエイター本人のこだわりは顕著に反映されています。そして商品を告知するのもクリエイター自身。そこが彼らの専売特許とも言える強みで、自分が販売するものにはこだわり抜きたい、という想いが必ずあります。だから、どの商品にもこだわりや“らしさ”が詰まっている。逆にこだわりがないアイテムはありません。

—大変さはどのようなところでしょうか

本気度が高く、こだわりを詰め込みたい想いが強いため、モノづくりのハードルが上がることがあります。クリエイターと僕たちは対等に向き合っているからこそできる限り応えたい。そういうケースで実現に向けて画策するのは大変ですが、面白くもあります。困難な場面に直面したときは、クリエイターのリクエストの本質に立ち返ります。「なぜ、それをしたいのか?」を吸い上げ、実現が難しい場合は本質的な目的を達成する代替案を提示するようにしています。

—たくさんのグッズを手掛ける中で、アウトプットが似通ってしまうことはあるのでしょうか

アイテムやデザイン単位で似通っても、僕としてはグッズにストーリーを持たせることを意識しています。アイテムやデザインが選ばれた背景を、クリエイターの活動や最近の出来事に紐づけることによって、そのクリエイターしか生み出せないものになる。アイテム自体は普遍的なものだとしても、ストーリー性を掛け合わせることで、“買う価値があるもの”と思ってもらえると考えています。P2C Studioでは、クリエイターごとにグッズ企画の担当者がついています。クリエイターの活動を把握し、特性や人柄を理解できる環境は、ストーリー性のあるグッズを作り出す上でも強みになっています。

—“クリエイターが作りたいもの”と“ファンが欲しいもの”のバランスは、どのように取っていますか

バランスを取るひとつの方法として、「どう告知すれば、クリエイターが作りたいものでファンは喜んでくれるだろう?」と考えるようにしています。告知まで含めて設計すると、クリエイターもファンも満足する道を見つけられることが多いです。

—グッズ企画に携わるにあたり、豊田さんが日常生活で意識していることはありますか

街ゆく人たちの服装や身につけているもの、お店に並んでいる商品ラインナップの傾向や受けているデザインは、観察して吸収するようにしています。グッズとして手掛けるものは、洋服、コスメ、フードと様々です。そのため、幅広い情報収集を意識しています。グッズ企画はクリエイターが作りたいものが軸にあるので、ひとつのジャンルに特化しているよりも、多ジャンルの知識や情報を備えている方が提案の幅も広がる。日々の吸収が仕事に生きる環境にあると思っています。

—この仕事をしていてよかった!」と感じるのは、どんな瞬間ですか

僕自身、イベント物販やライブ会場の現地物販が好きなので、グッズを手にしたファンや視聴者の方々の笑顔を見られた瞬間は、最高のやりがいを感じます。自分達のグッズで会場の一体感を生み出せることも原動力に繋がります。一緒に取り組むクリエイターは、こだわりが強く、クリエイティビティ溢れる方々ばかりです。アイテムやデザイン提案の過程で、第一線で活躍する方たちから「それ、いいね!」と共感してもらえると、さらにモチベーションが上がります。

—今後の事業の見通しやビジョンを教えてください

これまでのグッズ企画を通して、クリエイターとより良い関係値を築くことができたと思っています。クリエイター本人がアウトプットしたいものを、ファンの方々にきちんと届けることもできたかな、と。グッズ企画のノウハウや経験値が蓄積されてきたので、今後はそれらを広げていくフェーズにあると考えています。これまでECサイトやイベント会場、ポップアップストアなどファンが集まる場所で売っていたものを、一般の流通に乗せることでより広範囲に届けたり、ファンとの距離もさらに縮めたい。クリエイターとの結びつきを強めてきたこれまでの知見を外に広げていくことは、今後のビジョンのひとつです。

—豊田さんご自身の目標や野望はありますか

プライベートでは、最近自炊を始めたので調理環境を充実させたいです。そろそろウーバーばかりの生活を卒業しないと(笑)。仕事に関しては、インフルエンサーやタレントの活動・活躍の場が広がるお手伝いをしたいです。僕が入ることで+αを生み出せる存在になるのも目標です。今後もモノづくりを中心としながらも、その他周辺の知識も高めていきたい。そうすることで、“クリエイターの夢を叶える”という本質的な目的を果たせると思っています。

—最後に、P2C Studioとマッチするのはどんな方だと思いますか

僕自身、業務自体も身につけたい知識の幅も広がっているのですが、その環境に身を置くと、改めてルーティンワークだけをこなしていたら、業界的にもどこかで頭打ちになると考えています。モノづくりに携わる中では、「もっと良くしよう」という姿勢が大事。新しいことや困難なことに直面しても、これまでの経験や知識を元に、周りを巻き込みながら物事をポジティブに進行できるような人は、会社が目指している方向にマッチすると思います。

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